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♨️ぶたぞうの 温泉ミニ辞典
泉質・しくみ・ランキングをやさしく解説
🧪 温泉の泉質(10種類)
療養泉とは?
「温泉」のうち、特に治療の目的に供し得るものとして環境省が定めた分類です。 一般に「温泉の泉質」といえばこの療養泉の10種類を指します。
温泉分析書に記載された成分の中で最も多い主成分が泉質名になります(例: 含鉄ーナトリウムー塩化物強塩泉)。
💧
単純温泉
溶存物質1g/kg未満・25℃以上
特徴刺激が少なく、肌への負担が最も軽い。やさしい湯ざわり。
見た目無色透明・無味無臭が多い
主な効能神経痛・筋肉痛・疲労回復・健康増進
📌 日本で最も多い泉質。pH8.5以上の「アルカリ性単純温泉」は美肌効果が高く人気。
🌊
塩化物泉
塩化物イオンが主成分
特徴「熱の湯」。皮膚に塩の膜ができ、体温の放散を防いで保温効果が高い。
見た目無色〜淡黄色・塩味・無〜微臭
主な効能切り傷・冷え性・婦人病・疲労回復
📌 源泉濃度が高いものは「強塩泉」と呼ばれ、長湯は身体への負担が大きい。
炭酸水素塩泉
炭酸水素イオンが主成分
特徴「美肌の湯」。皮脂を乳化して洗い流すクレンジング効果。
見た目無色透明・ぬめり感あり
主な効能皮膚疾患・切り傷・動脈硬化症
📌 ナトリウム主体を「重曹泉」、カルシウム主体を「石膏泉」とも呼ぶ。
🔮
硫酸塩泉
硫酸イオンが主成分
特徴「傷の湯」「動脈硬化の湯」。血管を拡張させ血行促進。
見た目無色透明・無味無臭〜微石膏味
主な効能動脈硬化症・切り傷・脳卒中後の後遺症
📌 含む陽イオンによって「ナトリウム硫酸塩泉(芒硝泉)」「カルシウム硫酸塩泉(石膏泉)」に細分される。
🫧
二酸化炭素泉
遊離CO₂ 1,000mg/kg以上
特徴「心臓の湯」。炭酸ガスの泡が肌につく。血管拡張作用で心拍数を下げる。
見た目無色透明〜微黄色・酸味・泡立つ
主な効能高血圧症・動脈硬化症・末梢循環障害
📌 日本の天然炭酸泉は世界的にも希少。大分県竹田市(長湯・七里田)は日本最大の炭酸泉地帯。
🟤
含鉄泉
総鉄イオン 20mg/kg以上
特徴空気に触れると鉄が酸化し赤茶色に変色。独特の渋み・金属臭。
見た目湧出直後は無色→空気に触れ赤褐色
主な効能貧血・婦人病(月経異常)
📌 有馬温泉の「金泉」は塩化物泉+含鉄泉の複合泉。茶褐色の濃い湯が特徴的。
⚗️
酸性泉
pH 3未満
特徴強い殺菌力が最大の特徴。皮膚への刺激が強く「湯あたり」に注意。
見た目無色〜白濁・強い酸味・刺激臭
主な効能アトピー性皮膚炎・慢性皮膚疾患・糖尿病
📌 玉川温泉はpH約1.2と日本一の強酸性。肌が弱い方や長湯は禁物。入浴後はシャワーで流すと良い。
🌫️
硫黄泉
総硫黄 2mg/kg以上
特徴「温泉らしい温泉」の代表格。硫化水素の臭い(ゆで卵の匂い)と白濁が特徴。
見た目白〜乳白色に濁る・硫化水素臭
主な効能慢性皮膚疾患・動脈硬化症・高血圧症
📌 硫化水素ガスは高濃度で有毒。換気の悪い浴室では注意が必要。アクセサリーが黒ずむことがある。
☢️
放射能泉
ラドン 30×10⁻¹⁰Ci/kg以上
特徴ラドンを含む。実際の放射線量は極めて微量で安全。ラドンが体内で崩壊し細胞を刺激する「ホルミシス効果」。
見た目無色透明・無味無臭が多い
主な効能痛風・動脈硬化症・高血圧症・慢性皮膚疾患
📌 「ラジウム泉」とも呼ばれる。三朝温泉は世界有数のラドン含有量を誇る。
🟫
含よう素泉
よう素イオン 10mg/kg以上
特徴化石海水(古代の海水)が起源のことが多い。石油に似た匂い、濃い褐色。
見た目濃い褐色〜黒色・石油臭
主な効能動脈硬化症・慢性皮膚疾患・高血圧症
📌 日本では10泉質の中で最も少ない。平野部のボーリング温泉に多く見られる。
📋 温泉分析書の読み方(例)
有馬温泉:含鉄ーナトリウムー塩化物強塩泉(高張性 中性 高温泉)
→ 「含鉄」が第1成分、「ナトリウム」が主な陽イオン、「塩化物」が主な陰イオン

石鎚山温泉:含二酸化炭素ーナトリウムー塩化物・炭酸水素冷鉱泉
→ 炭酸ガスを含み、25℃未満の冷鉱泉

祖谷温泉:アルカリ性単純硫黄温泉(低張性 アルカリ性 温泉)
→ pH8.5以上・単純温泉でありながら微量の硫黄を含む
🗾なぜ日本に温泉が多い?
日本は世界の活火山の約7%(111火山)が集中する「火山列島」です。 これは日本列島がユーラシアプレート・北米プレート・太平洋プレート・フィリピン海プレートという4つのプレートがぶつかり合う場所に位置しているため。 プレートが沈み込む際に発生するマグマが火山活動を生み出し、地下水を加熱して温泉が湧き出します。
27,932
全国の源泉数
2,879
カ所
温泉地の数
12,999
温泉宿泊施設
111
火山
活火山数(世界の7%)
出典:環境省 2022年度温泉利用状況
🌏日本列島とプレートテクトニクス
日本列島は4枚のプレートが交わる「世界一複雑な地殻構造」を持つ場所に位置しています。太平洋プレートとフィリピン海プレートが日本の下に沈み込み、そこで発生するマグマが火山や温泉のエネルギー源となります。
日本列島とプレートテクトニクス
© Google / Data SIO, NOAA, U.S. Navy, NGA, GEBCO, Landsat / Copernicus ※教育目的での使用
🗺️火山の分布と温泉の分布
日本全国の活火山の位置と温泉地の分布を比べると、ほぼ一致していることがわかります。 特に東北・北海道・九州に温泉が密集しているのは、活火山が集中しているためです。 一方、中国地方・四国などでも温泉は湧いており、これは「非火山性温泉」(地熱や断層・化石海水が起源)の存在を示しています。
日本列島の火山と温泉の分布 日本の火山と温泉のある場所 高温の温泉(赤)は火山の近くに集まり、ぬるめの温泉・冷鉱泉(黄)は全国に広がっています 活火山(主要50座) 高温の温泉(火山の近くに多い) ぬるめの温泉・冷鉱泉 (火山がなくても全国に湧く) 温泉の位置:本アプリ掲載の温泉地731箇所(火山からの距離約40kmを目安に色分けした模式図) 火山の位置:気象庁「活火山リスト」より主要50座 ※オリジナル制作
図解:オリジナル制作(温泉地は本アプリの731箇所データ/火山は気象庁「活火山リスト」より)
🌋火山性温泉のしくみ
火山の地下には「マグマだまり」があります。地表から浸透した雨水が地下で加熱され、亀裂や断層を通って温泉として湧き出します。 硫黄泉・酸性泉・硫黄泉など、個性的な泉質が多いのが火山性温泉の特徴です。
火山性温泉のしくみ 🌋 火山性温泉のしくみ 地下水 地下水 マグマだまり 約1000℃ 1 雨や雪が地面に しみこむ 2 マグマの熱が 地下水をあたためる 3 熱いお湯が岩の 割れ目をのぼる 4 温泉として湧く! 深さ 数km 💡 マグマにあたためられたお湯には、火山のガス成分(硫黄など)がとけこみます。 これが「にごり湯」や「たまごのにおい」など、温泉ごとの個性(泉質)のもとになります。
図解:オリジナル制作(ぶたぞうの温泉ミニ辞典)
▼ 代表的な火山性温泉地(クリックで各温泉地サイトへ)
🏔️非火山性温泉のしくみ
火山のない地域でも温泉は湧き出します。雨水が地中深く浸透し、地熱で温められて断層を通って上昇するケース(地熱型)と、 太古の海水が地層に閉じ込められた「化石海水」が温泉となるケースがあります。 中国地方や関東平野の温泉の多くはこのタイプです。
非火山性温泉のしくみ 🏔️ 非火山性温泉のしくみ ― 火山がなくても温泉は湧く! ① 深層地下水型 〜 深くほるほど地面は温かい 〜 0m 約15℃ 1000m 約45℃ 2000m 約75℃ 雨がしみこむ あたたまった地下水 地下は100m深くなるごとに 約3℃ずつ温かくなる(地温勾配) ② 化石海水型 〜 とじこめられた大昔の海 〜 太古の海水(化石海水) 何十万年も前の海水が地層にとじこめられた 塩分が濃いので、しょっぱい「塩化物泉」になりやすい 💡 火山のない中国・四国地方や、大阪・東京などの都市部の温泉の多くは、この2つのタイプ。 深いボーリング技術が進んだおかげで、日本中どこでも温泉に入れるようになりました。
図解:オリジナル制作(ぶたぞうの温泉ミニ辞典)
有馬型温泉とは?
兵庫県の有馬温泉は火山から遠い場所にありながら、非常に個性的な高温の温泉が湧き出しています。 これはフィリピン海プレートが沈み込む際に引きずり込まれた海水が、深部で加熱・変質されて地表に湧き出すという「有馬型温泉」のメカニズムによるものです。 プレートの沈み込みが直接の起源となる珍しいタイプで、日本の地質学的な複雑さを象徴しています。 濃い塩分(塩化物)、鉄分(含鉄)、炭酸ガスなど多様な成分を高濃度で含むのはこのためです。
🧪pH(水素イオン濃度)と泉質の関係
pHは温泉の「酸性・中性・アルカリ性」を示す指標です。
酸性(pH1)中性(pH7)アルカリ性(pH14)
1 4 7 8.5 14
pH1〜3(強酸性) 玉川・草津・蔵王・酸ヶ湯 → 酸性泉・硫黄泉
pH3〜6(弱酸性〜中性寄り) 登別・万座・那須湯本
pH6〜7.5(中性) 最も多い範囲。有馬・別府・道後など
pH7.5〜8.5(弱アルカリ性) 塩原・下呂・城崎など
pH8.5以上(アルカリ性) 嬉野・美又・斐乃上 → アルカリ性単純温泉「美肌の湯」
メタケイ酸(SiO₂)とは?
温泉の条件成分のひとつ。50mg/kg超で温泉と認定されます。保湿効果があり、100mg/kg超は良泉の目安とされています。 温泉分析書で確認できる注目指標のひとつです。
🏆 日本の三大温泉 いろいろ
「三大温泉」には複数の定義があります。どれも権威ある選定であり、温泉の個性・歴史・効能など切り口が異なります。
🥇 日本三大名泉
🥇
草津温泉
群馬県
酸性硫黄泉。日本屈指の湧出量と強い酸性(pH1.7)。「湯もみ」が有名。
🥈
有馬温泉
兵庫県
日本最古の温泉のひとつ。金泉(含鉄塩化物泉)と銀泉(単純炭酸泉)の2種類。
🥉
下呂温泉
岐阜県
アルカリ性単純温泉。肌がつるつるになる「美人の湯」として有名。
※江戸時代の儒学者・林羅山が選んだとされる選定。
🏛️ 日本三大古湯
🥇
道後温泉
愛媛県
日本最古の温泉とも言われる。単純温泉。『坊っちゃん』の舞台。
🥈
有馬温泉
兵庫県
神功皇后が発見したとの伝説あり。奈良時代から記録に残る古湯。
🥉
白浜温泉
和歌山県
日本書紀にも登場する歴史ある温泉地。塩化物泉・碧い海と白砂浜が魅力。
💆‍♀️ 日本三大美人の湯
🥇
龍神温泉
和歌山県
炭酸水素塩泉。肌がすべすべになる美肌効果で名高い。
🥈
川中温泉
群馬県
炭酸水素塩泉。弘法大師発見伝説。肌の古い角質を洗い流す「化粧水の湯」。
🥉
湯の川温泉
島根県
アルカリ性単純温泉(pH9.5以上)。島根の美又温泉とも並称される。
💊 日本三大薬湯
🥇
草津温泉
群馬県
「草津の湯は万病を癒す」と称えられてきた強酸性の硫黄泉・酸性泉。
🥈
有馬温泉
兵庫県
鉄分・塩分・炭酸など多様な成分を含む複合泉。古くから「薬の湯」と称される。
🥉
松之山温泉
新潟県
日本三大薬湯の一つ。高温高塩化物泉。「療養の宿」として知られる。
🫧 日本三大炭酸泉
🥇
長湯温泉
大分県
遊離CO₂約1,400mg/kg。「日本一の炭酸泉」とも。ラムネ温泉が有名。
🥈
七里田温泉
大分県
遊離CO₂約1,800mg/kg以上とも言われる。泡がびっしり肌につく天然炭酸泉。
🥉
増富温泉
山梨県
放射能泉(ラドン泉)でもある冷鉱泉。低温でも浸かると体がポカポカ。
※日本の天然炭酸泉は世界的にも稀少。大分県竹田市(長湯・七里田)は日本最大の炭酸泉地帯。
⛰️ 標高の高い温泉 ベスト3
🥇
みくりが池温泉(富山・立山室堂)標高2,410m
通年営業の宿がある温泉として日本最高所。立山黒部アルペンルートの頂上・室堂に湧く雲上の湯。
🥈
本沢温泉(長野・八ヶ岳)標高2,150m
野天風呂「雲上の湯」は日本最高所の露天風呂。たどり着くには約2時間半の登山が必要な、正真正銘の秘湯。
🥉
白馬鑓温泉(長野・北アルプス)標高約2,100m
夏の登山シーズンだけ開かれる山の温泉小屋。雪渓を眺めながらの湯は登山者のごほうび。
※みくりが池と同じ立山室堂には雷鳥荘など標高2,300m級の温泉宿もあり、実は室堂エリアが上位を独占しています。エリアの重複を除いたベスト3です。
🥾 番外編:日本一「遠い」温泉
富山・北アルプス最奥の高天原(たかまがはら)温泉(標高約2,100m)は、高さでは同率3位級ですが、すごいのはその遠さ。どの登山口からも1日ではたどり着けず、片道まる2日歩いてやっと入れる「日本一遠い温泉」です。秘湯マニアの最終目的地とも呼ばれます。
🎨 湯の色と泉質の関係
温泉の色は、とけている成分が教えてくれる「天然の成分表示」。色を見れば泉質がある程度わかります。
赤茶色のにごり湯
いちばん多い原因は鉄分。湧き出た時は無色でも、空気に触れて酸化すると赤茶色に変わります(釘がさびるのと同じ仕組み)。例:有馬の金泉、黄金崎不老ふ死温泉
白いにごり湯
硫黄の微粒子が光を反射して白く見えるのが代表格。またカルシウム成分が結晶化して浮遊し、長い年月をかけて湯口や浴槽のふちに析出物として固着することも。例:乳頭温泉郷、白骨温泉
緑色の湯
マグネシウムや鉄分などの成分によって、緑がかって見えることがあります。光の加減で色合いが変わるのも楽しみのひとつ。例:国見温泉(岩手)、塚原温泉 火口乃湯(大分)🐷 ぶたぞう推薦
エメラルドグリーンのにごり湯
硫黄泉のうち硫化水素型はガスになりやすく、白濁〜エメラルドグリーンのにごり湯になります。湯の花が湯の中をふわふわ浮遊するのも特徴。例:草津温泉、高湯温泉、雲仙温泉
透明な黄緑色
同じ硫黄泉でも硫黄型は、硫黄がイオンとしてお湯の中に安定して溶け込んでいるため、にごらず透明なまま美しい黄緑色に見えます。例:月岡温泉
黒い湯(モール泉)
太古の植物に由来する腐植質がとけこんだ湯。コーヒーや紅茶のような色で、肌ざわりはつるつる。例:十勝川温泉、東京の黒湯銭湯
無色透明
単純温泉やアルカリ性の湯の多くは無色透明。「色がない=薄い」ではなく、やさしい湯ざわりでじっくり楽しむタイプです。例:道後温泉、下呂温泉
📜 「温泉」の意外な定義
温泉法では、次のどちらかを満たせば「温泉」と名乗れます。
① 湧き出す時の温度が25℃以上
② 温度が低くても、指定された19の成分のどれかが規定量以上とけている
💡 つまり「冷たい温泉」も正式な温泉! 成分が濃い冷たい湧き水は「冷鉱泉」と呼ばれ、沸かして入ります。中国地方の名湯に多いタイプです。
🌸 「湯の花」の正体
湯に浮かぶ白や黄色のかけら「湯の花」は、温泉の成分が空気に触れたり冷えたりして固体になったもの。硫黄・カルシウム・アルミニウムなど中身は温泉ごとにさまざまです。
💡 草津温泉や明礬温泉では、湯畑や湯の花小屋で集めた湯の花を入浴剤として販売しています。おみやげの定番です。
🔄 「源泉かけ流し」と「循環式」のちがい
♨️ 源泉かけ流し
新しい湯を注ぎ続け、あふれた分は捨てるぜいたくな方式。湯の鮮度と成分が命。豊富な湯量がないとできません。
🔁 循環式
湯をろ過・加温して再利用する方式。限られた湯量を大切に使え、衛生管理がしやすい長所があります。大型施設に多いタイプ。
どちらが良い・悪いではなく、それぞれに長所があります。脱衣所の掲示で方式を確認できます。
♨️ 温泉マークの発祥は日本!
おなじみの温泉マーク「♨」は日本生まれ。群馬県の磯部温泉に残る江戸時代(1661年)の絵図に描かれたものが最古とされ、「温泉記号発祥の地」の碑も立っています。
💡 3本の湯気は「入るのに良いタイミングは1日3回」「熱い湯・ぬるい湯・水風呂」など諸説あり。今では世界の絵文字(Unicode)にも採用されています。
🧴 なぜ「美人の湯」で肌がつるつるになる?
アルカリ性の湯は、肌の表面の古い角質(タンパク質)をやわらかくとかす働きがあります。石けんと同じ原理で、入るだけで軽いピーリング効果に。炭酸水素塩泉(重曹泉)も皮脂を洗い流してくれる「天然のクレンジング」です。
⚠️ つるつるにする力が強い分、湯上がりは保湿を忘れずに。特にpH10前後の強アルカリ泉は入りすぎに注意です。
🫧 「ヌルヌル・とろとろの湯」の秘密
「つるつる」が湯上がりの肌ざわりなら、「ヌルヌル・とろとろ」は入っている最中の湯の感触。主な条件は2つと言われます。
強アルカリ性(pH9以上)— 肌の表面がわずかに石けん化して、ぬるっとした感触に
メタケイ酸が豊富 — 「天然の化粧水」とも呼ばれる保湿成分で、湯にとろみを与えるとされます
💡 この道の横綱は鳴子温泉郷・中山平温泉。その名も「うなぎ湯」と呼ばれるとろっとろの湯で、日帰り湯「しんとろの湯」や旅館「琢琇(たくひで)」で体験できます。湯に手を入れた瞬間、思わず笑ってしまうとろみです。
🚶 正しい湯めぐりの順番
複数の湯船や温泉地をめぐる時の基本は「ぬる湯 → 熱湯」「刺激の弱い湯 → 強い湯」の順番。いきなり熱い湯に入ると血圧が急に上がり、体への負担が大きくなります。
① まずかけ湯で体を慣らす(心臓から遠い足元から)
ぬるめの湯や単純温泉からスタート
③ 慣れてきたら熱めの湯・硫黄泉や酸性泉など個性の強い湯
④ 1回の入浴は10分程度を目安に、湯船の外で休憩をはさむ
💡 1日にめぐる湯は2〜3か所までがおすすめ。「もう1軒」を我慢するのも、湯めぐり上手の技です。
😵 「湯あたり」と「湯疲れ」のちがい
😵 湯あたり
温泉の成分に体が反応して起きる体調不良。入浴をくり返した2〜3日後に、だるさ・頭痛・食欲不振などが出るのが特徴。硫黄泉や酸性泉など個性の強い湯で起きやすく、湯治の世界では体が慣れる過程とも言われます。
対処:入浴を1日休み、水分をとってゆっくり休む。
💦 湯疲れ
その日の入りすぎによる疲労やのぼせ。長湯や回数の入りすぎで、体力を消耗して起きます。温泉の成分とは関係なく、家のお風呂でも起こります。
対処:涼しい場所で休憩し、水分補給。その日はもう湯船に入らない。
🧂 濃い湯ほど湯あたりしやすい? ―「浸透圧」のはなし
温泉分析書の「成分総計」を見ると、湯の濃さがわかります。人の体液とほぼ同じ濃さ(湯1kgに成分8〜10g)を「等張性」といい、これを境に:
低張性(8g未満)… 日本の温泉の大多数。逆に水分が肌にしみこむので、長湯すると指がふやけます
高張性(10g以上)… 濃い湯。成分が体にしみこみやすく効きめが強いぶん、湯あたりも起きやすいタイプ
濃い塩化物泉などの高張性の湯は「効くけど短めに」が合言葉です。
⚠️ 症状が強い時や長引く時は、無理をせず医療機関へ。
🥛 飲泉(いんせん)のはなし
温泉は「入る」だけでなく「飲む」楽しみ方も。ヨーロッパでは温泉といえば飲むのが主流の国もあるほどで、日本でも保健所の許可を受けた飲泉所で味わえます。
泉質によって味も効能もさまざま——塩化物泉はしょっぱく、炭酸水素塩泉はまろやか、含鉄泉は金気(かなけ)の味。胃腸にやさしいとされる湯も多くあります。
⚠️ 飲んで良いのは「飲泉可」の表示がある場所だけ。湯船の湯は絶対に飲まないこと。1回コップ1杯程度を目安に、持病のある方は医師に相談を。
🌍 世界の温泉と日本の温泉のちがい
🌍 世界の温泉
ドイツやハンガリーなどでは水着で入るのが基本で、温泉は「治療とリハビリの場」や「温水プールの社交場」。医師の処方で温泉療養に通う国もあります。飲泉文化も盛んです。
🗾 日本の温泉
裸で湯船につかる世界でも珍しい文化。源泉かけ流しへのこだわり、宿とセットの湯治文化、四季の露天風呂——「湯そのものを味わう」楽しみ方が発達しました。
日本は世界有数の温泉大国。源泉数は約28,000本、温泉地の数は約3,000か所にのぼり、火山の恵みを日常的に楽しめる、世界でもまれな国です。
📖 温泉入浴のマナー
入浴前に水分補給をする
✅ 長い髪は束ねる
✅ しっかりかけ湯をしてから入る
✅ 湯口に近い所が「上座」。入る順に譲り合う
❌ タオルを湯船に浸けない
❌ 大声で騒がない・湯船で泳がない
✅ 洗い場は使用後に整える(桶・椅子・石鹸)
入浴後も水分補給を忘れずに